12月のアイスキャンデー
目的地にバスが着く時間。
道が混んでいて、未だに半分くらいしか進んでいない。
満員のバスの中、乗ってきた高校生カップル。彼女は袋に入ったオレンジ色のアイスキャンデーを持っていた。
透明の袋の中、すでに半分くらい溶けている。オレンジ色の液体が袋の下部に溜まってきている。
12月のアイスキャンデー。
駅に着いと大半の人が降りていく。そしてこれからの道のりは空いてる道だから、サクサク進むはず。
高校生カップルも駅で降りてしまった。
アイスキャンデーの最後は見届けられぬまま、バスは目的地へ向かって進み始めた。