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友人のお母さんが亡くなった。
「今朝、母が亡くなりました」
急だったこと、明日会う予定をしていたこと、
そして、「しっかり見とどける」という締めくくり。
なんの物語がはじまったのだろう。
そんなことが、頭に浮かぶ。
頭に入ってくる「突然の死」は、
彼女に返す言葉を考えさせてくれない。
そして、いつも世界は「他人事」で過ぎていく。当事者にはなれない。
私は、母がだんだんと弱っていく姿を見て、
お別れをした。
母の体はみるみるのやせ細り、
歩くのもしんどくて、父が腰を持ち上げると、
ひょいっと、軽々と体が持ち上がる。
あぁ、この人は死ぬんだな。
と会いに行くたび思っていた。
それはそれで悲しいし、怖かったのだけれど、
お別れが近いのだという心の準備はできていた。
突然の母の死と向き合うことになった友人は
どんな気持ちでいるだろう。
優しさと強さを持ってる人だから
現実をじっくりじっくり受け入れようと
自分と向き合ってるに違いない。
次に会う時は笑顔で会えるだろうか。